投資の世界で「不景気の株高」という言葉があります。
これが実際にどういう意味なのか知らない方も多いでしょう。
不景気の株高とは実はFXや日本株の投資においてとても大事な内容で、大きく稼ぐことが出来るタイミングでもあります。
不景気の株高とは「ファンダメンタルズの悪化が進行する中、株の上昇が継続する」という動きです。
あまり動きとしては理解できないことが多く、ロジックで考えるといけないタイミングです。
そのため初心者からしたら「え、なんで??」みたいな考えになる投資初心者が多く、
私自身も初心者時代相当「なんでだよ!」って思っていた過去があります。w
では早速不景気の株高の説明と、その時どうトレードするのかを解説しましょう。
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不景気の株高って何?そしてどう対応すべきなのか?
そもそも、不景気の株高って何??
最近は春に勃発した米中貿易戦争の影響からファンダメンタルズは悪化し経済指標も軒並み悪い数字が出てきていますが、
ファンダメンタルズが悪化する中、米国、欧州、日本共に株は堅調な動きを継続しており、特に米国は年初来高値を更新しています。
しかし株が下落しない動きが続いているものの、経済指標をみている投資家や、初心者の投資家は
「ファンダメンタルズが悪化しているのに株が下がらないなんてことはないだろ。だから株はあとで下落する」
と考えて日経平均先物でショートポジションを構築したり、
ドル円では株安から円高圧力がかかりやすいと判断してショートポジションを作ったり、
NYダウの先物でショートポジションを構築したりする動きが出始めます。
そのファンダメンタルズを信じたショートポジションが評価損を発生させ、
最後にはストップロスの買い圧力となるため、より株高が進行するというトレンドが続きます。
とは言え、投資の世界は8割以上が敗者と言われるマーケットです。
動くのに理由なんて必要がありませんよね。そのためこれを利用して稼ぐ方が効率的とも言えるでしょう。
信じるものは自分だけ、、、
これがある意味重要なんですよね。
例えば今年の3月からの米中貿易戦争を思い出すとわかりやすいかと思います。
当初スタートした時米中の貿易戦争については株安材料でした。
当然の如くマーケットは当然ながら株安で反応していました。
ところが、、、
FRBパウエル議長が徐々にトランプ圧力に屈したのかわかりませんが利下げバイアスとなっており、
日本では黒田総裁の緩和の可能性を示唆する発言から株は反発する動きとなりましたね。
ロジックで考えると、貿易戦争とファンダメンタルズの悪化から株安を見込んでおり、
その方向性にベットするのは当然のように映るかもしれません。
今年のイベントを考えても、先週行われた参議院選挙があったり、そしてアメリカでは来年大統領選挙が行われます。
これは基本的な動きですが、選挙前は株価が下落すると与党への票が失われることがあるため、政府としても必死で株の下落は
止めに入ります。
そのためファンダメンタルズは悪化しているものの、何かしら株を下支えするため景気刺激策を連想させるような
口先介入等で止めに入るのが恒例です。
また為替に関しても円高は株安要因となることから、為替のレートにも敏感になる時期となるんですね。
このような政府の動きは少し考えるとわかりやすいと思います。
またマーケット参加者の予想が全員同じ方向で予想したコメントが多い時ほど危ないものはありません。
不景気の株高と呼ばれる状態はこのようなセンチメントの動き、ポジションの傾きが重なって、景気とは反対の動きが出ると言うことになります。
3月の米中貿易摩擦から発生している不景気の株高を整理したのがこちらです。
- ショートポジションが積み上がっていることからのポジション調整の買い戻しフローが上昇圧力に起因
- 選挙というイベントを考えていない投資家が多かったこと
- 政策金利の引き下げを株安要因と判断してトレードしていること
どれも重要なトリガーとも言えますが、やはり影響しているのは③が発生し、①が起きている構図とも言えそうです。
中期的には下だけど短期的には利下げから株高に向かっているということでしょう。
個人的には今年の秋口からは株は下落を始めると予想しています。
そのため全力で日経平均やNYダウはショートで攻めていくつもりです。
不景気の株高を利用してトレードに活かすには?
不景気の株高の背景というのはここまでで理解できたでしょう。
では次に、この不景気の株高が今後起きたタイミングでどのようにトレードすべきかを簡単に解説したいと思います。
不景気の株高かどうかを判断する材料からご紹介しましょう。
①足元のファンダメンタルズは悪化しているのか
②景気が下落しそうなタイミングでも景気刺激策を打つ理由となりそうなイベントはあるか
③ファンダメンタルズの悪化は短期的なのか、長期的なのか
この3つを抑えることで判断がしやすくなります。
では今年の不景気の株高をできるかどうかを上記の3つに照らし合わせながら考えてみましょう。
「①足元のファンダメンタルズは悪化しているのか」
→現状の経済指標を全体的に俯瞰すると、とてもではないですが、日本、欧州共に良好とは言い難いと思います。
アメリカはある程度いい数字を出していますが、ピーク時からすると鈍化したのは否めません。
結論①の判断は全体的に悪化傾向であると言えるでしょう。
続いて②についてみてみたいと思います。
「②景気が下落しそうなタイミングでも景気刺激策を打つ理由となりそうなイベントはあるか」
→まずファンダメンタルズが悪化したと①の段階で判断したとします。
その場合行なってはいけない行動はこちらです。
「予想通りに株価指数先物等でショートポジションを構築すること」
①の判断の後には必ず②のチェック項目を判断するようにしましょう。
それは
「この環境が継続すると政府として景気刺激策のようなもので株を下支えするイベントがあるかどうか」
今年のイベントで考えると、先週行われた夏の参議院選挙がありました。これはどうみても株を下支えする要因の1つと言えますね。
次に米国で考えると来年の大統領選挙が控えています。これは有名なアノマリーですが、
「米国大統領選挙の前年年は株が下落しない」
というものが格言としてあるので覚えておくと今後便利でしょう。
理由は単純で、株が票の獲得に直結してしまうことからです。
選挙に勝利するためという目的がある以上ファンダメンタルズなんて関係なく、なんとか株価を必死で支えながら選挙日まで持たせようとするのが普通の勝利するために取る行動です。
もちろんファンダメンタルズはすぐに転換できるようなものではなく、これまでの流れが培われてできた動きです。
そのため中期的に見ると、短期的な下支えは効果が薄れてしまい、根本的に悪化している景気減速には対応できる訳はありません。
とはいえ、短期的でも下支えすると日銀のETF購入みたいに結構な上昇圧力が作為的に咥えられるので短期的なトレードでは考えておくべきでしょう。
「③ファンダメンタルズの悪化は短期的なのか、長期的なのか」
最後に「①、②を踏まえてこのファンダメンタルズの減速の期間はどのくらいなのか」ということを見定める必要があります。
正直これはかなり難しいので①、②だけでも十分でしょう。
しかし現在の動きはある程度経済を知っていれば予想しやすいため、簡単に判断材料を解説します。
まず現在の経済環境というのは2008年のリーマンショック以降に行なった日本の非伝統的大規模緩和(ETFの購入やマイナス金利)や米国のQEプログラム(資産買い入れプログラム)によって上昇した作為的な相場です。
つまりモルヒネ打った状態ということでも言えますね。
日本でも景気刺激策としてETFを購入することで、日経平均株価を2000円以上も上昇させているとも言われています。
アメリカは現在非伝統的金融政策であったQEは停止しており、また利上げ方向へFRBの政策が転換していました。
足元は再度利下げ圧力がかかっているという環境になります。(これは言い換えると景気後退懸念が増幅しているということ)
そして次に考えるべきは景気のサイクルです。
この景気サイクルを考えた場合に7-10年程度で一旦景気のサイクルは転換すると言われています。今年は2008年のリーマンショックから11年目です。
景気サイクルを考えた場合に株は調整することは不思議ではなくむしろ必然な動きとも言えます。
③の結論を出すとするなら
「中長期的には景気後退となる可能性が高い」
と判断できるんですね。
この不景気の株高をトレードで活かすには上記の3つを抑えることで損を減らすことにも繋がります。
またこれを利用して大きくみんなが死んでいく中、一人だけ稼ぐことができる!とも言えそうですね。
不景気の株高はロジックで考えてはいけませんし、またみんながみんな同じ方向を向き始める時こそ相当危ないと言えます。
投資の世界は勝者が2割、敗者が8割です。
これだけ押さえていればどう行動すべきか自ずと見えてくると思います。
しっかり考え抜いて、このようなロジックとは逆の動きが発生しても利益が出せるように勉強しましょうね!
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