(2019年8月10日 更新されました)
ここでは海外の仮想通貨取引所のトレーダーとして働いているものとして、少しどのような方が来社されるのか
赤裸々に書いてみたいと思います。
来られる方は
①OTC業者
②流動性供給者(OTC業者と少し違う方も多い)
③新規事業絡みの事業会社担当
④toBのためのプラットフォームを提供している業者(もしくは新しい仕組みを作るためのプロジェクト参画を狙う企業)
この辺りがメインではないかと思います。
皆さんは仮想通貨の取引所って何をしているかわからない方も多いと思います。
まだ確立されたビジネスモデルというのが販売所や取引所の運営程度で、それ以外ではどのような人がいるのか
というのは見えない部分ではないかと思います。
仮想通貨取引所同士でも互いに何が行われているのか?というのは未知数であるため、ここで記載することが全てでは
ないことをご理解ください。
では来社されるお客様はどのような人がきているのか種類別に書いてみたいと思います。
仮想通貨取引所に来社する人たちは??
OTC業者
これは海外のプロップファームも多く大口投資家を指しているとも言えるでしょう。
ヘッジファンド等もここに該当します。
最初にOTCとは何か説明します。
OTCはover-the-counterの略であり相対取引を指しているため、実は販売所というのもOTCという取引種別に該当します。
ここでは大口投資家を指しているとご理解ください。
OTC業者できる限り薄いスプレッドの業者を探しながら色々な取引先を探しています。
また取引先も分けていないといけないという決まりがあるところも多いです。
この理由は取引が1社に偏ってしまった場合、その取引先が破綻することで決済リスクや今後の業務に影響が出てしまうからです。
破綻リスクはクレジットリスク(デフォルトリスク)とも呼ばれており、各社最大の取引額を設定し(クレジットリミット)取引を分散
させリスク管理を行っている業者もいます。
流動性供給者
流動性供給者とはマーケットメイカー (liquidty provider)を指しています。
これは例えば日本の板取引を行っている取引所に対して、「指値をたくさん入れてマーケットを作ってあげるから手数料頂戴」
という業務を行っているところです。
取引所としても板の流動性が厚ければ厚いほど顧客のスプレッドは狭い範囲で提供でき、かつ、顧客が流動性の厚いところに集まるのは
当然であるため、板が厚くなれば厚くなるほど顧客が増加するという好循環が生まれています。
私が勤務しているところでも板取引に流動性供給者は存在しており、たくさんの注文を常に入れて板を厚くしてくれているので、
個人の顧客も安心して利用してくれているということになります。
この流動性供給者にはリベートとして指値が刺さると0.10%を支払う等ある程度契約で決められているところもあります。
一律この契約というのはわかりませんが、仮想通貨取引所が流動性を増加させたい場合はこのような流動性供給者に依頼することもあるため、
来日された海外のマーケットメイカーが来社して、マーケットメイキングの営業をしてくるところもあるということです。
新規事業関係の事業会社担当
これは仮想通貨取引所とは別にブロックチェーンの技術や、また仮想通貨のトークンの部分で協業できないかという
提案をしてくる事業会社がたくさんあります。
名前は非公開としますが、タクシーや日用品、飲料関係やインフラ関係まで様々です。
1つ共通しているのは「まだマネタイズ出来ていないこと」であり、これが今後のブロックチェーン技術を応用するための課題とも
言えるでしょう。
役には立つけど稼げないでは営利企業として採用できないですからね。
また仮想通貨取引所サイドとしてもまだまだノウハウが溜まっている訳でもなく、仮想通貨エンジニアはいてもうロックチェーンエンジニア
いないというところもあります。
仮想通貨取引所してるからブロックチェーンも知っていると思われないように気をつけましょう。w
④toBのためのプラットフォームを提供している業者(もしくは新しい仕組みを作るためのプロジェクト参画を狙う企業)
これは取引所同士が自由に取引し合えるプラットフォームを世界で開発している企業がたくさんあります。
日本で有名なのは安倍首相が発言していた国も認めているサンドボックスで現在プロジェクトを進めているクリプトガレージ等はいい例でしょう。
サイドチェーンの技術を用いて、決済までのスピードを早くしたりすることが出来るそうです。
仮想通貨の中に仮想空間のチェーンを作ってしまうというなんともどこまで仮装なんだと言わんばかりの仕組みですね。w
また他にも単純にうちのプラットフォームで取引してもらえればリアルタイムグロス決済(瞬時に決済が終わること)で決済出来る業者や、
相手のカウンターパーティーリスク(決済リスク)を排除できる仕組みを作っている業者等色々プラットフォームが世界で出てきています。
しかし正直残るのは数個しかなく、このマーケットはすでにレッドオーシャンとも言えるでしょう。
たくさん来社し過ぎて社内も整理できていないのが現状
これまでご説明した種別はざっくり分けているだけなので、細かく分けることもできます。
また色々なパターンがあり、一括りにブロックチェーン&仮想通貨というテーマで来られるので正直どこと協業すればマネタイズ
できるのかということは経営者では判断できないことがほとんどです。
個人的な私見ですが、JVCEAは金融庁の犬状態でとても話し合っている様子はありません。
SBIの北尾さんがJVCEA理事を辞めたことも、裏では総会で北尾さんが会長に立候補したところから波紋が広がったそうです。
マネーパートナーズという取引所も持たない会長の奥山さんがトップにいる時点で、明らかにおかしい人事というか仲間内で作った組織としか
思えない状況下、ブロックチェーンとか仮想通貨の発展を考えず主導権を握れなかったら他の団体を立ち上げる北尾さんのような政治的な
場所としてこの仮想通貨業界が使われているのは、日本の弱さを表していると言えるでしょう。
海外の仮想通貨取引所で働いている身としては、日本の仮想通貨取引所って大変だなーって思いながら見ていますし絶対転職したいとは話を
聞いてても思わないですね。
話が逸れましたが皆さんの仮想通貨業界の中を少しでも今後もお伝えできたらと思っています。